思うこと

【まちづくり】八戸の駐車場を無料化したら客足が増えるのか問題。完全無料ではなく「無料時間を設ける」だけでも効果はあるかも?というお話。

パーキングのイラストやです

どうもどうも、大志ですm(_ _)m

ここ数年、日本でも

ウォーカブルなまちづくり

を押していて、八戸市も「八戸市中心街ストリートデザイン事業」という取り組みが行われていますが。

肝心の八戸市中心街はというと、夜は飲み屋街が盛り上がっているものの、

日中でも楽しめるものが少ない

ということもあり、なかなかウォーカブルな状態ではないですよね(;^ω^)

もちろん、人によっては楽しめるお店はありますし、ただ歩くだけでもワクワクする方はいるでしょうけれども・・・この「人によって」という状態になっているのが問題なのかなと。

ただ、今回は「楽しめるものが少ない問題」は一旦置いておきまして、こういった

中心街に人が来るためにはどうすればいいんだろう?

という話のときによく出てくるのが、

駐車場無料化したらいいのでは?

という意見ですよね?!

確かに、郊外のお店は当たり前に無料駐車場なので、それらと比較すると有料駐車場しかない中心街は行きにくく感じるのですが。

本当に駐車場を無料化したら客足が増えるのか、目指している「ウォーカブル」になるのかは、ちょっと気になるところ。

ということで、自分も前から興味があったので、今回はそのお勉強をしてみようかなと(・∀・)

駐車場の完全無料化はかなり難しいと思いますが、

無料時間を設ける

というだけでもだいぶ変わる可能性があるかもしれませんぜ?

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そもそも駐車場利用者は「街中を歩かない傾向」があるらしい

いきなり元も子もない話なのですけれども(笑)

皆さんは、中心街がそれなりに栄えていて何かしらの用事で行くとして、駐車場に車を止めたあと、

街中を歩く

ということをしますか?

おそらく、「目的の場所に真っ直ぐ向かう」ことが多いのかなと(;^ω^)

自分も殆どがそうで、例えば気になる飲食店があったら、そこに直行して用を足し、終わったら帰るということが多いです。

これ、豊田市の資料を見てみると課題として上がっていまして。

八戸に限らず、車がメインの移動手段になっている地方都市は直面してしまう問題なのかなと。

ただ、例えば八戸市の場合は1時間100円とか、時間によって駐車料金が上がる仕組みになっていることが多いため。

その時間内にパッと用事を済ませる、ということもあるのかもしれませんが。

仮に無料駐車場になった場合でも、わざわざ「街中を歩こう!」と思う人がどれくらいいるのか気になるところ。

でもこれ・・・無料駐車場があるショッピングモールで考えても、確かに同じような状況になりますよね?

おそらく大抵の方は、ショッピングモール内でも基本的には、「目的のお店」に向かうことが多いはず。

ということを中心街に置き換えたら、駐車場無料化だけでは特定のお店は儲かるのかもしれませんが。

街中全体が盛り上がるということには、あまり繋がらない可能性はありそうですよね。

駐車場無料化を考える場合、場所やタイミング、管理方法などの問題が沢山ありそう

駐車料のいらすとやです

また、もし無料駐車場を作るとしても、その駐車場の場所や実施するタイミング、管理方法などを考える必要はあるでしょうね。

もし中心街に気になるお店があったとして、無料駐車場もできたとしたら、誰もがその無料駐車場を利用したいと思うはず。

となると、その無料駐車場に利用者が集中してトラブルが発生する・・・なんてことが目に見えそうだなと(;^ω^)

じゃあ、中心街の駐車場全体を「いっせーのーせ!」で無料化できたら、駐車場の利用は分散するかもしれませんが・・・

駐車場を利用する人で街の道路がいっぱいになる

なんていうことも発生しそうですよね(笑)

現時点でも駐車場の場所によっては、その駐車場に入るために

車が道路に並ぶ

ということが発生しています・・・これにより、通過したいだけの車に待てがかかることになるわけですが。

駐車場が無料化してもっと利用しやすくなったら、それ以上に混む可能性がありそうですよね。

特に八戸の場合、道が狭いところに入り口のある駐車場が多いですし(;´∀`)

駐車場のいらすとやです

ほかにも、駐車場無料化するために問題になりそうなのが

管理部分

ですよね。

もし本当に無料化するとしたら、市税が使われることになるでしょうけれども・・・劣化しない駐車場なんてないわけで、ただ駐車料金分を賄えば済む話ではないはず。

となると、結局は市民に負担が返ってきそうで、中心街に人が来るどころか、

八戸市が住みにくくなる

ことにも繋がりそうだなと・・・それだと本末転倒ですよね。



無料時間を設定するだけでも、サービス券より効果があるらしい

じゃあ、完全無料化はやらないにしても、

一定時間無料

を設定したらどうなるのか。

八戸市中心街の駐車場は大抵、入った瞬間に「料金を支払う」必要がありますが。

もし30分でも60分でも無料時間が設定された場合、街への訪問数が増えるのかというと、

無料時間の長さによって増える

という、ちょっと面白い論文がありました。

この研究は、秋田市中心市街地内にある民間駐車場を用いて行ったようで、詳細はお時間があるときに論文を読んでもらいまして(;^ω^)

ざっくり説明をすると、以下のパターンで調査をしたそうですな。

 サービス券の有無目的地までの距離利用料金無料時間
A2000円以上の買い物で発行徒歩2分程度1時間100円60分
B2000円以上の買い物で発行徒歩2分程度1時間200円60分
Cなし徒歩2分程度1時間100円30分
D2000円以上の買い物で発行徒歩10分程度1時間100円なし
E2000円以上の買い物で発行徒歩2分程度1時間300円30分
Fなし徒歩2分程度1時間200円なし
G2000円以上の買い物で発行徒歩10分程度1時間200円30分
H2000円以上の買い物で発行徒歩2分程度1時間300円なし
Iなし徒歩10分程度1時間300円60分

その結果、訪問数の効用の大きさが

「駐車無料時間」>「利用料金」>「目的地までの距離」>「サービス券の有無」

の順になったんだとか?!

ちょっと面白いのが、八戸市でも「買い物によってサービス券を発行する」というお店はありますが、この研究ではその効用が一番小さいということ。

これは、

・買い物をするにしても、サービス券を得られる金額を使うことがない
・「商品を見てから購入を考える」ということが結局できない

といった方たちを逃しているみたいですね・・・言われてみると確かに。

じゃあ、無料時間の長さはどうかというと、30分、45分だと訪問回数に大きな変化はなかったそうですね。

これは、

・駐車場から街までの移動距離
・1店舗あたりの滞在時間が大体10分間くらい

ということを考えたら、「大して楽しめない」と思う方が多いのかな?

でも、不思議なことに

60分無料

に設定した場合は、「利用料金」「目的地までの距離」「サービス券の有無」のどの効用よりも、訪問回数が増えたんだとか。

じゃあ、そこから120分、180分と時間を伸ばしたらもっと訪問数が増えるのでは?と考えるところですが。

この研究では、

60分無料と120分無料では訪問回数に大差がなかった

らしいですね(・o・)

それを考えたら、完全無料にすればいいわけでもなく、無料時間が長ければいいわけでもなく、とりあえず

60分無料

くらいから試してみるのも、ありなんじゃないかなと。

もちろん、まずは「街に行きたい」と思うモノが必要ですし、60分無料を実験するためのお金の負担がどこかにかかるわけですけれども。

ただ、八戸市でやったらどうなるのかは、試してみる価値はありそうですよね?

本気でウォーカブルなまちづくりを目指すならば、色々実験も必要でしょうし、行政も含めて協力してくれるといいですな( ・`ω・´)

あとがき

ということで今回のお話のまとめ。


・八戸市中心街の客足を増やすために「駐車場無料化」の意味があるのか気になったよ
・豊田市の調査では駐車場利用者は「街中を歩かない傾向」があるらしいよ
・無料駐車場があっても、周りを見ずに「目的の店」に向かう人が多いよ
・無料駐車場を作るにしても、かなりハードルが高いよ
・駐車場に無料時間を設けた場合、60分無料が1番効用が大きいみたいだよ

今回は駐車場にフォーカスを当てての話なのですが、結論は

行きたいと思う価値が中心街にあるか

になっちゃうんでしょうね(;^ω^)

ただ、有名な店が来たら価値が生まれる・・・ということはもちろんあるかもですが。

例えば、今の八戸市中心街の状況でも、ホコテンやはっちなどでイベントがあれば、有料駐車場でも人が集まるわけで。

それを考えたら、無料駐車場や有名店の有無に関わらず、

人が集まる要素

はすでに、八戸の中心街にもあるはずなんですよね。

まあ、自分に街を動かす力があるわけではないですし、今回の話も口だけにはなるのですけれども(;´∀`)

でも、「人が集まる要素」があるということは十分アドバンテージになると思うので、その要素を伸ばすことができたらまた状況が変わってくるんじゃないかなと。

駐車場無料の話などは、そのプラスアルファになるんだろうなと個人的に思いました。

  • この記事を書いた人

大志

青森県八戸市に住むしがない男です。 すごい経歴があるわけでもなく、なんなら、パニック障害という精神疾患を抱えています。 そんな男も、今ではなんとか仕事をし、ボランティアで交流を増やし、DIYを楽しみ、嫁さんと一緒にうまいものを食べ、風呂に入って寝る・・・そんな幸せを楽しめています。 そんな日常や戯言を、ブログとしてまとめています。

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